【ノルウェー・トロンハイム8日(日本時間9日)発】サッカーの欧州リーグ(EL)1次リーグ第4節でB組ザルツブルク(オーストリア)の日本代表MF南野拓実(23)が快挙を達成した。敵地のローゼンボリ(ノルウェー)戦で先発出場し、前半だけで3得点の大暴れ。ELで日本人選手によるハットトリック達成は史上初で、チームは5―2の大勝で開幕から無傷の4連勝を飾った。

 中盤の攻撃的MFとしてピッチに入った南野は開始5分、左からのパスを受けてDFを1人かわしてペナルティーエリア右に侵入。迷いなく右足を振り抜くと、ボールはゴール左に突き刺さった。これで勢いづくと、19分には浮き球のロングパスに鋭く反応。一瞬のスピードでDF2人の裏を取り、落ちてくるボールを左足ダイレクトボレーでゴール右に決めた。

 その後、味方が追加点を奪って迎えた45分にはゴール前の混戦から抜け出してシュート。一度はGKに阻まれたが、しぶとくこぼれ球を押し込んだ。2002年8月、ELの前身にあたるUEFA杯の予選のインタートト杯決勝でフラム(イングランド)のMF稲本潤一(39=札幌)がボローニャ(イタリア)から3得点した例はあるが、本大会では日本人初。南野にとっては17年2月の国内リーグ戦以来2度目。後半33分に退くまでゴールを狙い続け「自分にとって最高の夜になった」と喜んだ。

 これで今季公式戦9点目。日本代表として戦う16日のベネズエラ戦(大分)、20日のキルギス戦(豊田)に向けても弾みがつくパフォーマンスとなった。