冬の移籍市場で欧州組が“大移動”か。欧州クラブに所属する日本選手たちが出場機会を得られず苦境に立たされるケースが目立っている。なかでもクラブで構想外とされるスペイン1部ヘタフェの日本代表MF柴崎岳(26)とイングランド・プレミアリーグのレスターに所属するFW岡崎慎司(32)は、活躍の場を求めて新天地へ移ることが濃厚だ。

 昨季リーグ戦で22試合に出場した柴崎は、ロシアW杯で大活躍。評価が高騰したが、今季は10番を背負いながらも出場機会が激減した。レアル・マドリードとの開幕戦こそフル出場したものの、先発はこの1試合だけ。4日のウエスカ戦でも出番はなく、リーグ7試合連続不出場と完全な構想外になりつつある。

 このままの状況ならば日本代表の選出にも影響が出ることは必至で、今冬の市場で移籍を決断する公算が大きくなっている。海外でプレーする日本選手と契約する代理人はこう指摘する。「柴崎はスペインにこだわっているようだが、国内(スペイン)で他のクラブに行くのは現実的には厳しい。イタリアやドイツには関心を持っているクラブがあるので、本人の考え次第ではないか」

 柴崎はテクニックを重視するスペインでのプレーを引き続き希望しているとみられるが、同国内の評価は決して高くないのが実情。イタリアでは今季不振のローマや複数の中堅クラブ、さらにドイツでも具体的なオファーを準備しているクラブがあり、移籍を決断する可能性は高いという。

 また「岡崎はかなりの確率で動くはず。年齢などを考えると主要リーグは難しい。日本人選手の獲得に積極的なトルコあたりになるのではないか」(同代理人)。今季の岡崎は試合終盤の途中起用に限定されているように、クロード・ピュエル監督(57)からの信頼を得られていない。

 レスターとの契約は今季限りのため、クラブにとっても移籍金を得られるラストチャンスになる今冬市場での移籍に前向きだ。盟友のDF長友佑都(32)が所属するガラタサライや大物日本人選手に照準を合わせているフェネルバフチェなどが「侍ストライカー」に関心を寄せており、トルコ行きが濃厚という。

 同じく今季出場機会に恵まれないドイツ1部ドルトムントのMF香川真司(29)やイングランド・プレミアリーグ、サウサンプトンのDF吉田麻也(30)らも今冬の移籍がメディアで取り沙汰されており、日本人の有力選手の電撃移籍が相次ぐ激動の冬になるかもしれない。