サッカー・オーストラリア1部リーグ(Aリーグ)メルボルン・ビクトリーの元日本代表MF本田圭佑(32)が、かねて熱望する2020年東京五輪出場をかけた戦いをスタートさせる。

 18日、メルボルン・シティーとのリーグ開幕戦(20日)に向けた記者会見に臨み「いよいよ試合ができる。とても楽しみ。いい練習を重ねてきたし、戦術面でも準備は整っている」。8月6日に移籍が発表されてから開幕まで2か月以上たっているだけに、試合を待ちきれない様子だった。

 新天地では日本代表時代に慣れ親しんだ「4」を背負い、新たなポジションに挑戦する。「試合を見てもらえれば分かると思うが、ポジションが変わる。新しいポジションで新しいチャレンジになる」。詳細については語らなかったものの、守備的MFで新境地を開拓する見込みだ。

 このチャレンジは、24歳以上の選手を3人まで登録できるオーバーエージ(OA)枠での東京五輪出場にも大きく影響する。スピードに難のある本田がOA入りするには、経験を生かしたゲームコントロールに活路を見いだすしかない。つまり守備的MFの枠を目指すしかなく、失敗すれば必然的に五輪出場は消滅することになるのだ。

 しかも守備的MFのOA候補には東京五輪を指揮する森保一監督(50)の愛弟子、日本代表MF青山敏弘(32=広島)の名も挙がる。青山は指揮官の信頼が厚く、9月と10月のA代表合宿にも招集された。ちょっとやそっとの好プレーでは、ライバルを凌駕するのは困難と言わざるを得ない。

 究極のパフォーマンスを繰り出して森保監督を振り向かせることができるのか。本田にはまさに「新しいチャレンジ」となるが、果たして…。