ついに復権へ。欧州CL1次リーグ初戦(18日=日本時間19日)で後半17分から今季初出場を果たしたドイツ1部ドルトムントMF香川真司(29)は終了間際に決定機を外したが、攻守で存在感を発揮。周囲も高く評価し、ライバルに大きな差をつけた。

 今季はルシアン・ファーブル新監督(60)の構想外となり、開幕からベンチメンバーからも外されていた。待望のピッチインに「試合に出ないとコンディションは上がってこない。こういう雰囲気、激しい戦いの中でしか感じられないものがある」と、久々に味わった緊張感のある舞台を振り返った。

 この日は香川と同じポジションが本職の元ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェ(26)が先発したが、精彩を欠くパフォーマンスで地元紙「ビルト」の採点は「4」(1が最高、6が最低)。そのゲッツェに代わって途中出場ながら攻撃にリズムをもたらした香川には、チーム最高となる「2」と高い評価が与えられた。本人も「状況を変えられるのは自分。出遅れたなら取り返せばいい。その時間と試合数は十分にある」と巻き返しに自信満々だった。

 ドルトムントでライバルに実力を見せつけたことで今後の出番増は確実だが、香川の復権は日本代表にも朗報だ。森保一監督(50)は10月シリーズで出番のない香川ら欧州組の代表招集を懸念していたが、J1クラブ関係者は「ちょっとでも出たから大丈夫じゃないか。香川は森保のお気に入りだし(代表に)呼ぶだろう」と代表復帰にも大きく前進した。

 ロシアW杯後、ようやくの再スタートに「辛抱強く、忍耐強くやればやるほど自分は成長する。自信はある」。逆境をはね返し、再びレギュラー奪取を誓った。