「森保流」はまだまだ序の口だ。サッカー日本代表は11日の国際親善試合コスタリカ戦(大阪・吹田)に3―0で勝利し、森保一監督(50)の初陣を白星で飾った。A代表初ゴールを挙げたMF南野拓実(23=ザルツブルク)ら若手が次々と活躍。世代交代の波を強烈に印象付けた。指揮官は今後も若手の登用を続けていく構えで、次戦の10月シリーズではジャカルタ・アジア大会に出場したU―21日本代表から大量抜てきを検討している。

 ヤングジャパンが躍動した。前半16分に相手DFのオウンゴールで先制すると、後半21分に南野が左足で追加点。アディショナルタイムにはMF伊東純也(25=柏)がダメ押し弾を決めた。スタメンの平均年齢が26・5歳とロシアW杯ベルギー戦から3歳ほど若返ったが、盤石の戦いで新生日本代表をアピールした。

 7日のチリ戦が北海道胆振東部地震の影響で中止になり、大阪で迎えた初陣で完勝スタート。A代表監督就任時にマニフェストに掲げた「世代交代」の実現に向けて、自ら抜てきした若手の活躍に、指揮官は「本当に積極的にプレーしてくれた。それぞれが持っている特長を発揮してくれた」と高く評価した。

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)も「これで競争は厳しくなる。(ロシアW杯の主力組が)『俺は(今後も招集されるのが)確実で(今回は)選ばれなかったんだろう』と思っていても、このまま若い選手がどんどん来たら分からなくなる。またそういう有望株も10月、11月に見られると思う」とサバイバルのさらなる激化を予想する。

 その言葉通り、森保監督は10月の国際親善試合パナマ戦(12日、新潟)とウルグアイ戦(16日、埼玉)でさらなる若手抜てきを予定している。J1クラブの強化担当は「アジア大会で力を見せた選手を森保さんはとても高く買っている。今回は日程を考慮して招集しなかったが、10月はそういった選手も呼ぶのではないか」と指摘する。

 8月のジャカルタ・アジア大会には東京五輪のメイン世代となるU―21日本代表で臨んだが、U―23世代やオーバーエージ枠を使用するチームが大半を占める中で戦前の評価を覆して快進撃。決勝ではFW孫興民(26=トットナム)を擁する韓国に大善戦して銀メダルを獲得した。潜在能力の高さを見せた戦いぶりで、田嶋会長もA代表への登用に太鼓判。「オレが監督だったらFW岩崎(悠人=20、京都)を代表に選んでいた」と猛プッシュするほどだ。

 A代表にとって11月の2連戦はアジアカップ(来年1月、UAE)に向けて最後の実戦となるため、今回、選出しなかったロシアW杯の主力組を招集し、ベスト布陣を組む方針。そしてU―21代表は11月にUAEでの国際親善大会に出場する兼ね合いもあり、テストしたい若手有望株を10月に招集する計画なのだ。

 エースの岩崎に加えてDF初瀬亮(21=G大阪)やMF三好康児(21=札幌)らをサプライズ招集する可能性もある。世代交代を急ぐ森保ジャパンはさらにフレッシュな顔ぶれとなりそうだ。