森保ジャパン北海道地震で強化構想に大打撃 チリ戦中止で5億円損失の余波

2018年09月07日 16時30分

イレブンはジャージー姿で宿舎近くの公園へ移動した

 日本サッカー協会は6日、未明に発生した北海道胆振東部地震を受けて、日本代表が7日に札幌ドームで開催予定だった国際親善試合チリ戦の中止を発表した。札幌市内に滞在中の森保ジャパンは被災したものの全員無事が確認されたが、新チームの初陣が中止となる前代未聞の事態。2022年カタールW杯を目指す日本代表にとっても大打撃となった。

 午前3時8分の地震発生直後、選手やスタッフは宿舎内の食事会場に集まって無事を確認。余震が続いたため、2時間ほど待機してから各自の部屋に戻った。仮眠を取った後に午後1時の昼食で再集合。同4時から宿舎近くの公園で、ストレッチを中心としたメニューで軽く体を動かした。

 練習後に円陣を組んでミーティングを行った森保一監督(50)は、選手にチリ戦が中止になったことを通達。さらに「われわれは自家発電のある建物に泊めさせてもらい、食事も普通に作っていただいた。支えていただいていることに感謝して過ごしてほしい」とイレブンに訓示した。

 報道陣に対応した指揮官は、異例の事態に「自然災害には太刀打ちできない。想定外のことも受け入れながらやっていきたい」。主将のMF青山敏弘(32=広島)は「もう言葉にできない…。広島でも台風があったばかりだし。ただサッカーをやらなきゃ自分たちは何も発信できない。その使命感は持っている」と悲壮な覚悟を語った。

 今後は7、8日と札幌市内で練習を実施し、コスタリカ戦(11日、吹田)が行われる大阪へ移動する予定。だが「スケジュールはどうなるか分からない」と交通機関の復旧状況によって変更の可能性もあるという。

 初陣が中止となる前代未聞の事態に陥った森保ジャパン。今後への影響も計り知れない。国際Aマッチをホームで開催する際、放映権料や入場料やスポンサー、グッズ販売や飲食販売などの収入が見込め、その額は「1試合につき5億円ほどになる」(大手広告代理店関係者)という。莫大な収入を失う上、各種キャンセルの諸経費などは持ち出しとなる。もちろん“赤字”だ。

 日本サッカー協会にとって日本代表戦の開催は収益の大きな柱。それだけに協会関係者はかねて「各方面への影響は大きい。特にアンダー世代に影響が出るかも」と話しているように、A代表はもちろん、東京五輪代表やなでしこジャパンなど、各世代別代表チームの合宿や遠征など強化費にも大きな影響が出かねないわけだ。

 また、現場でのチーム強化プランにも狂いが生じる。9月の2連戦で多くの選手をテストする予定だったが、実戦機会が1試合だけになったことで起用できる選手や戦術が限られてしまう。今回は指揮官が期待する新戦力を多く招集しただけに、テストの場が潰れたダメージは甚大だ。森保監督も「選手たちも試合のために準備してきたし、海外組も遠くから来た。試合をして選手のパフォーマンスを見たいし、今後のチームづくりにおいても試合ができればありがたいけど…。こればかりは自分たちがコントロールできる問題ではない」と顔を曇らせた。

 嵐の船出となった森保ジャパンは、この難局をどう乗り越えていくか。