【スロバキア・ブラチスラバ5日(日本時間6日)発】非常事態が起きた。ロシアW杯16強のデンマークはスロバキアと国際親善試合を行い、0―3で敗れた。この試合でデンマークは国内3、4部リーグ所属の選手とフットサル代表選手4人で臨み、W杯メンバーはゼロという異例の編成だった。

 デンマーク協会は4日にスロバキア戦と欧州ネーションズリーグ初戦(9日=同10日)のウェールズ戦に向けたメンバーを発表。だが、その人選はとても代表チームと呼べるようなものではなかった。

 英「BBC」など欧州各メディアによると、デンマークサッカー協会と選手会は、2015年に結んだ代表チームの宣伝活動など商業的な権利に関する契約が8月末で満了し、新たな契約締結に向けて話し合いを続けてきた。だが、調整がつかずに9月以降、代表活動が行えない状況にあるという。

 17年にも女子代表チームと同様のトラブルを起こし、W杯予選が中止。欧州サッカー連盟(UEFA)から罰金を科せられた。今回も試合放棄ならば欧州選手権予選に参加できないなどの処分が下されるため、協会側は苦肉の策としてチームを編成した。

 この件に同国のエースFWクリスティアン・エリクセン(26=トットナム)は「契約の締結に前向きに取り組む準備がある。この2試合を終えた後で話し合いを行う時間はあるはずだ」との声明を発表したが、果たして解決策はあるのか。