武田修宏氏が欧州で注目の武藤&中島を徹底分析

2018年08月09日 16時30分

武藤は新天地で輝けるか

 サッカーの欧州各国リーグは10日にオランダ、フランス、ポルトガルに加えて世界最高峰のイングランド・プレミアリーグが開幕し、シーズンが本格スタートする。元日本代表FW武田修宏氏(51=本紙評論家)が今季欧州で注目の日本選手をピックアップ。ニューカッスル(イングランド)に移籍した日本代表FW武藤嘉紀(26)とポルティモネンセ(ポルトガル)に所属するFW中島翔哉(23)の今後を徹底分析した。

 今季の大注目は武藤だね。昨季まで所属したドイツ1部マインツでは公式戦10ゴールを挙げて高い決定力を証明した。日本代表に参加するため帰国した際には、ゴール前で動き出しのタイミングなどを変えたことで、好位置でボールをもらえるようになったのが要因、と言っていた。

 英国でもブレークしてほしいんだけど、同じリーグのレスターに所属する日本代表FW岡崎慎司(32)がこう言っていたよ。「人の言うことをまったく聞かないような少し変わった性格の選手のほうが点を取っている」って。ストライカーとして成功するには、ゴール前で常に自分中心に考えて動くこと。つまりエゴイストじゃないとダメってことでしょう。

 今季から主戦場となるイングランドはドイツよりも激しく厳しいリーグ。世界各国のトップ選手が集まっているし、地元メディアも辛辣だからね。武藤はフィジカル、スピード、テクニックは申し分ないが、性格が優しいので、少し遠慮してしまうような場面もあるかもしれない。ピッチ内外でタフになり、ドイツ時代よりさらに進化しないとゴールを量産できないんじゃないかな。

 最初は戸惑うかもしれないけど、イングランドらしい攻守の切り替えの速い試合展開に慣れれば、きっと結果を出してくれる。まずは日本代表の新エースとして認められるような大活躍を期待したいね。

 一方、昨季ポルトガルで10得点10アシストを決めた中島にも注目している。ロシアW杯メンバーからは漏れたけど、日本代表で10番を背負うMF香川真司(29=ドルトムント)も2010年南アフリカW杯メンバーから落選した後、ドイツでブレークしたように、中島も悔しさを糧に大躍進するんじゃないかな。

 最近、彼が所属したJ2東京Vでユース時代に指導したコーチと話をしたんだけど、とにかく向上心は当時からプロ以上だったそうだ。あるとき、試合に出られないことがわかると、代わりに出る選手を“蹴散らして”まで出場にこだわったというから負けん気は相当だよ。それこそが海外でもしっかりと結果を出せた理由と思う。

 リオデジャネイロ五輪代表では10番を背負った。幼少期から常にチームの中心にいて、エースナンバーを付けていたそうだ。そのくらい存在感があるということだよね。2季目を迎えるポルトガルではマークも厳しくなるけど、常にゴールを目指す姿勢があれば、今季も結果を出してくれるでしょう。

 ドリブル突破にボールコントロールなどのテクニックは香川にも匹敵する。強いメンタルの持ち主だからこそ、海外でも十分にやれている。何といっても古巣ヴェルディ出身の後輩だから特に期待したいね。