大逆転はあるのか。今後の去就が注目されているロシアW杯の日本代表MF本田圭佑(32)は、7月31日に現役続行と近日中に加入する新チームを決めることを表明した。すでにオーストラリア1部(Aリーグ)メルボルン・ビクトリー入りが確実視される一方、J2東京Vが獲得の正式オファーを出したことが判明。まさかのJリーグ復帰の可能性もありそうだ。

 関係者らによると、2008年以来のJ1昇格を目指す東京Vはリーグ終盤戦の切り札としてメキシコ1部パチューカを退団し、現在フリーの本田獲得に動いているという。ロシアW杯後に正式オファーを出し、今シーズン末までの4か月間契約で、年俸ベースにすると3億円という条件を提示済みだ。

 現在J2で5位と昇格プレーオフ圏内の東京Vは、7月に16年シーズンのJ1得点王ブラジル人FWレアンドロ(33)をJ1神戸から獲得し、後半戦に向けて戦力強化を図ってきた。さらにロシアW杯で1得点1アシストと活躍した本田を補強することでJ1自動昇格となる2位以内を確保し、悲願を達成する構えだ。

 本田は4月にメキシコでのシーズンを終えて帰国し、5月上旬からロシアW杯に臨む日本代表招集に備えて東京Vの練習に参加した。親しく接したイレブンはもちろん、スペイン人のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(61)もイタリア1部ACミランで10番を背負った本田の実力を再認識し、加入を熱望しているという。

 一方、本田はロシアW杯後に「現役を続けていくかとか、サッカーにどう携わっていくのかは整理したい」と引退の可能性を示唆。しかし31日に自身の公式ツイッターを更新し「なぜサッカーを続けるのかという新しい目標を決めた。近日中に次のクラブに関して決断したい」とし、現役続行と新天地について言及した。

 すでに年俸290万豪ドル(約2億4000万円)を提示したメルボルンV移籍が有力視される中、米メジャーリーグサッカー(MLS)のロサンゼルス・ギャラクシーやスペイン1部バレンシア入りもささやかれている。本田は移籍先について「日本はない」と明言していたが、世界を股に掛けた争奪戦に水面下でJ2東京Vもしっかりと参戦していたわけだ。

 この件について、東京Vの羽生英之社長(54)は1日、事実関係を認めた上で「オーストラリア行きが有力と報道されているが、まだ(本田サイドから断りの)返事をもらっていないから」と話し詳細は明かさなかったものの獲得を諦めていない様子だった。果たして、まさかの大どんでん返しはあるのだろうか。