日本の“元エース”がついに復権だ。日本代表MF本田圭佑(31=パチューカ)は28日、千葉県内で行われている代表合宿で初取材に応じ、バヒド・ハリルホジッチ前監督(66)から西野朗監督(63)に交代したプラス効果を力説。久しぶりにビッグマウスも飛び出し、ピッチ内外で好調ぶりをアピールした。新指揮官から高い評価を受けており“本田ジャパン”として再スタートとなりそうな雲行きだ。

 西野ジャパンはこの日、初陣となる国際親善試合ガーナ戦(30日、日産)を想定した非公開の戦術練習を実施。本田は主力組で1トップを務めたFW大迫勇也(28=ブレーメン)の背後に位置する2シャドーの一角に配置された。3バックという新システムの導入に「新鮮ですね。ワクワクします」と語った。

 本田は、指揮官の電撃交代を受けての再始動に「この中で結果を出せる方向にチームは向かっている。これだけ議論が出るのはハリル監督がやっているときにはなかった」とメリットを強調。さらに「ぶっつけ本番で結果を出したことは何度もある。今回も同様に1発目のシュートで決まる気もするし、決めなきゃいけない」とオレ様流の“ビッグマウス”を炸裂させた。

 すっかり鳴りを潜めていた強気な発言は、自信の表れとも言えるが、その背景には西野監督からの“寵愛”がある。本田について厳しい見立てをしていた前指揮官とは対照的に、西野監督は18日のメンバー発表会見で「彼のプレーは欠かせない。トップパフォーマンスは、まさに代表の中で積み上げられた。チームに対する中心選手だった」と、これまでの実績や大一番での勝負強さなどを高く評価している。

 実際、西野監督の期待通り本田は万全のコンディションに整えて代表合宿に合流。チーム内でも活発な議論の中心になるなどリーダーシップを発揮し、イレブン内でも株を上げている。ピッチ内外でチームのまとめ役に加え、本来エースの仕事と言われるFKキッカーへの返り咲きも確実視されており、かつてのようにチームの王様として“全権”を担う勢いだ。

 本田は西野監督について「選手のアピールを尊重してくれる部分もある。その辺のコミュニケーションとか、今後自由にやれるんじゃないかなというのはある」。W杯メンバー落選危機から一転、エース復活の手応えをつかんだようだが、果たして本番でも存在感を示し、日本を勝利に導くことができるだろうか。