西野ジャパン30日ガーナ戦“無風選考”の落胆 代表人気低下を懸念する声

2018年05月19日 16時30分

会見した西野監督はどこかすっきりしない表情だった

 注目の“第1次選考”は見事な肩透かしに終わった。日本サッカー協会は18日、キリンチャレンジカップのガーナ戦(30日、日産ス)に臨むメンバー27人を発表。6月のロシアW杯に向けた第1次選考でMF本田圭佑(31=パチューカ)やMF香川真司(29=ドルトムント)ら実績組が順当に名を連ねた一方で、世間を驚かすサプライズ選出もなく、期待の若手はことごとく落選した。話題性に欠けるメンバーとなったことで、西野ジャパンの注目度低下を懸念する声も聞こえている。

 27人の“サムライ”を絞り込んだ西野朗監督(63)は、選考の経緯をこう説明した。

「現在調子の良い選手、実績や経験値のある選手、将来に向けてポテンシャルのある選手…。いろんな要素があるが、大舞台で最高のコンディションになる選手たちを予測しての選考になった」

 その中で指揮官が最も重視したのが実績。試合勘不足や故障明けで不安を抱える本田、香川、FW岡崎慎司(32=レスター)の“ビッグ3”を揃って招集した。本田については「中南米でもやれている」と異論を挟む余地なし。左足首痛で実戦から長期間離れていた香川については「本当にデリケートに考えないと。3か月、トップステージでやっていない」と慎重な姿勢を見せたものの「彼らのプレーは代表に欠かせない」と既定路線の揃い踏みとなった。

 今回はほぼ無風の選考。日本サッカーの将来を見据えたものというより、目の前のW杯を勝ちに行く指揮官の本気度の表れでもあるが、その裏で悲鳴を上げているのがテレビ局だ。

「本田や香川は入ったけど、目新しさが全くない。W杯では毎回、若手の抜てきやサプライズが話題になるけど、今回はそれもないと言っていいくらい。新しい主将になれば話題になるけど、それもない。ただでさえ盛り上がりがイマイチなのに、これでは難しい」と民放キー局関係者はタメ息をつく。

 A代表デビュー戦となった3月のマリ戦で初ゴールを奪ったFW中島翔哉(23=ポルティモネンセ)は“ハリルジャパン最後の遺産”として期待が集まったが「彼はポリバレントではなかった」(西野監督)と複数の役割をこなせないと判断されて落選。今季ポルトガルリーグでマークした10得点12アシストという出色の数字も、実を結ばなかった。

 それ以外にも期待が集まっていたMF堂安律(19=フローニンゲン)らフレッシュな若手の名前はなし。前回ブラジルW杯で大逆転の滑り込みを果たしたFW大久保嘉人(35=川崎)のようなサプライズ選出もなく、MF青山敏弘(32=広島)が3年ぶりに招集されたくらいで地味な印象は否めない。主将もMF長谷部誠(34=Eフランクフルト)の続投が決まり、新鮮味はない。

 ハリルジャパン末期から続く代表の人気低下に歯止めがかかる雰囲気はなく、監督の電撃交代劇もカンフル剤にはなっていない。これまでのW杯前はスポーツの話題もサッカー一色となっていたが、最近は日大アメフット部の悪質タックル騒動が社会問題化し、世間の注目を集めている。ポジティブな話題も米大リーグで二刀流に挑戦している大谷翔平投手(23=エンゼルス)に集中。サッカー界の停滞ムードを払拭するインパクトが欲しいところだったが、この日の“拍子抜け会見”でその願いもしぼんだ。

 苦しい台所事情で迎えるロシアW杯は、人気面でも崖っ縁ジャパンとなりそうだ。