日本代表FW本田圭佑(31=パチューカ)は16日、都内で行われた「HUBLOT LOVES FOOTBALL Special Exhibition」開催記念イベントに参加し、6月14日開幕のロシアW杯について「出る以上、常に優勝」と宣言した。毎度おなじみのフレーズが飛び出す一方で、自身のコンディションの良さを力説。いつも以上に冗舌だったのは自信の表れか、それとも――。

 帰国後はJ2東京Vの練習場などで調整する本田は「良い状態にある」と自信を隠さなかった。「1年間、標高2400メートルでトレーニングしていたし、効果が1~2か月もつという話も聞いている」とメキシコの高地で過ごしたメリットを挙げつつ「体力テストも行って、数値も良い状態」と科学面からのプラス材料も強調した。さらに、自身が出場した2010年南アフリカ大会、14年ブラジル大会と比較して「10年は右も左もわからないまま出場して、14年は新しい挑戦をしてうまくいかず、今度は三度目の正直。また違った形で上を目指せる。一番期待していただいていい」と持ち前のプラス思考を披露。「フィジカル面で下降していない。そこに加えて経験が積み重なっているからプラスにしかなっていない!」と本田節を炸裂させた。

 W杯メンバー発表前最後の親善試合となるガーナ戦(30日、日産)のメンバー選考を前に“最後のお願い”というわけだが、本田がこれでもかと自身をプッシュするのには理由がある。

 日本代表の西野朗監督(63)は4月下旬から今月上旬にかけて行った欧州視察で、MF長谷部誠(34=Eフランクフルト)やMF香川真司(29=ドルトムント)らベテランから、MF井手口陽介(21=クルトゥラル・レオネサ)といった若手まで11選手と面談を実施。しかし同じ海外組ながら本田はタイミングが合わず、帰国後も指揮官とは会えなかった。この日も西野監督と同じイベントに出席しながら登場するタイミングは別々だった。

“ニアミス”について西野監督は「本田とは、今は選考段階で、国内にいる選手に対しては(接触)しないことにしている」と説明。本田としては18日に行われる30人前後のメンバー発表までは直接アピールする機会がない。そのため、指揮官が重視する「コンディション」を中心に、公の場で必死のプレゼンを展開したとみられる。

「最後のW杯」と位置づけるロシアのピッチに立つため、なりふり構わぬ背番号4。熱い思いは西野監督に届くのか。