元日本代表FW武藤嘉紀(25=マインツ)が“弱者の強み”を武器に自身初のW杯メンバー入りを狙っている。

 15日、ドイツで自己最多となる8ゴールを挙げる活躍を見せた今季を終えて羽田空港に帰国。目前に迫ったロシアW杯メンバー入りを「W杯出場は幼いころからの夢。目の前にチケットがあってそれを取らない手はない。ここで引いてしまったら今までの努力が無駄になる。このタイミングですごいいい状態にあるので、選ばれたら日本のために全ての力をささげたい」と熱望した。

 5日のドイツ1部ドルトムント戦でゴールを決めて2―1の勝利に貢献。チームの1部残留の立役者になるなど好調をキープしているのも代表復帰に向けて好材料だが、武藤によれば残留争いに巻き込まれるような下位クラブでの経験もプラスになるという。「格上のドルトムントが勝つと思われている中で点を取って勝てたのは自信になった。だからこそ上のチームとやれるW杯は楽しみだし、わくわくする」

 マインツで実践してきたサッカーはいわば“弱者の戦い”だ。格上との対戦では少ないチャンスをいかに勝利につなげるかが重要になってくるが、ロシアW杯1次リーグで対戦するコロンビア、セネガル、ポーランドも日本より国際サッカー連盟(FIFA)ランキング上位。決勝トーナメント進出のためには同じように弱者の理論で勝機を求めていくことになるだけに、武藤にとってイメージしやすいわけだ。

 前代表監督のバヒド・ハリルホジッチ氏(66)のままでは落選濃厚だったが、電撃解任によってロシア行きの可能性は広がった。マインツで培った“スキル”を生かして日本を勝利に導けるか。