香川の復帰は白紙 またも“日本の10番”のジンクス

2018年05月09日 16時30分

欧州取材から帰国し、取材に応じる西野監督

 日本の10番がいよいよ崖っ縁だ。日本代表の西野朗監督(63)は8日、欧州視察を終えて帰国し、左足首の回復が遅れているMF香川真司(29=ドルトムント)の厳しい現状を明かした。復帰のメドが立たずロシアW杯メンバー入りに赤信号がともりつつあり、今後は香川の代役争いが勃発しそうだ。またしても“日本の10番”のジンクスは打ち破れないのか――。

 欧州視察を終えた西野監督の表情が冴えないのは、長旅の疲れだけではなかった。左足首の負傷で約3か月も実戦から遠ざかっている香川の深刻な現状を目の当たりにしたからだ。

 指揮官はトレーニングの様子を視察するつもりで2日にドルトムントの練習場を訪ねた。しかし「到着するまではそのつもりで行ったけど、その午前中に(香川が)MRIを撮りに行って練習を見られなかった」。1日の練習中に再び故障を発症。面談こそ行ったものの、現在のコンディションは確認できなかった。

 さらに西野監督は「(リハビリ期間が)長いですよね、彼の場合は。本人とか僕自身も、どういう状況というのが…。メディカルではそう厳しい状況とは聞いていないけど」。正確な状態を把握できていないため、今後の復帰プランも白紙で「厳しい状況というのは彼自身、感じていると思う」と指摘した。

 ロシアW杯に向けて日本代表は31日に最終登録メンバー23人を発表する。まずは18日に最終選考の場となる国際親善試合ガーナ戦(30日、日産)に臨む30人程度の選手リストを公表する予定だが、香川は極めて厳しい状況に追い詰められた。このままW杯に間に合わないとなれば、代役探しも一つの焦点になる。

 主に香川が務めてきたトップ下は攻撃の要となる重要なポジション。MF柴崎岳(25=ヘタフェ)やFW宇佐美貴史(26=デュッセルドルフ)、FW中島翔哉(23=ポルティモネンセ)らが“ポスト香川”としてクローズアップされる。さらに国内組からMF中村憲剛(37=川崎)やMF長沢和輝(26=浦和)がリストアップされそうだ。

 W杯目前にチーム編成の見直しが急務となりそうだが、香川を高く評価していた西野監督にとってはまさに悪夢と言えるだろう。以前からささやかれていたW杯にまつわる“日本代表10番のジンクス”がまたも降りかかった格好だ。

 10番の前任者であるMF中村俊輔(39=磐田)は2002年日韓W杯で落選。06年ドイツ大会では精彩を欠き、日本を勝利に導けなかった。10年南アフリカ大会はFW本田圭佑(31=パチューカ)に先発の座を奪われてベンチ要員。14年ブラジル大会で10番を背負った香川は不振に陥り、1次リーグ2戦目のギリシャ戦ではスタメン落ちの屈辱を味わった。

 これまでエースと言われ、日本の10番を背負った選手はW杯という大舞台で真価を発揮できていない。電撃的な監督交代で揺れる中、香川はロシアの地で躍動できるのだろうか。