スペイン1部バルセロナを今季限りで退団することを発表した同国代表MFアンドレス・イニエスタ(33)が、J1神戸と3年契約、年俸2500万ユーロ(約32億5000万円)の内容で合意したと同国のメディアが報じたことを受け、神戸のクラブ関係者は8日、「驚いている」と話し、現段階では情報を把握していないことを明らかにした。

 別のJリーグ関係者は、神戸を運営するインターネット通販大手の楽天主導で交渉している可能性を示唆。スペインの報道では楽天の三木谷浩史会長兼社長(53)が交渉に関わったとしている。移籍が成立すれば、昨季神戸に加入したFWルーカス・ポドルスキ(32)、2014年にC大阪入りしたFWディエゴ・フォルラン(38)の6億円を大幅に上回るJ史上最高年俸選手となる。

 また、イニエスタの日本行きの可能性を真っ先に報じたスペインの「カタルーニャラジオ」は、移籍に向けて同行スタッフの準備も整ったことにも言及。イニエスタはバルサで理学療法士として働いていたハウト・ムニル氏ら3人を引き連れて、新チームに移る考えを持っているという。

 スペインメディアの中には「日本ではなく(オーストラリアの)Aリーグに行く」との報道もある。過去にはイタリアのスター選手、アレッサンドロ・デルピエロがシドニーFCでプレーしたこともあるリーグだが、同協会は「イニエスタを押さえるには遅すぎるかもしれない」と諦めムード。4クラブが獲得に向けた調査を進めているものの、それぞれの資金は300万ドル(約3億3000万円)と神戸の約10分の1の提示額とあって、マネーゲームでの勝算はなさそうだ。