松阪競輪GIII「開設67周年記念」(蒲生氏郷杯王座競輪)は28日、最終日を迎える。注目の決勝戦は山中秀将に前を託す根田空史の優勝に期待したいが、別線の村上義弘や早坂秀悟らも様々な手を講じてくるはずで難解な一戦となりそうだ。

【注目選手=山中秀将(31=千葉・95期)】準決12Rは人気を背負った吉田敏洋―浅井康太―坂口晃輔の中部軍団を相手に押さえ先行で立ち向かい4着で入線した山中。ところが1着入線の浅井康太が内側追い抜きで失格したため、ファイナルへと繰り上がった。

 準決で連係し2着に入った岡村潤が「作戦で山中君が『1周半なら残れると思う』と言っていた。それが押さえ先行とは思わなかった」と話したようにその俊敏性は味方をもってしても脅威となっている。

 決勝は同県の根田空史と一緒になった。これまでの戦法的にも根田の前回りと想定されたが、山中が前回りを志願した。

「根田君との連係は何度もあるけどこの並びは初めて。彼はいつも南関の先頭で頑張っているし近藤(隆司)さんとも『今度、根田と一緒の時は俺らが前で頑張ろう』と話していた。並べてよかった」と経緯を明かした。

 2段駆けの匂いが漂うためライバルたちの反撃はまぬがれないが、山中は「一番気になるのはやっぱり村上(義弘)さんでしょう。でも村上さんは自力と自力の並びを分断にくる人じゃない。きっと力勝負してくれるはずなので、出し切ります」と相手の出方を想定し腕をぶす。

「もちろん、どう並んでも3番手。何が何でも仕事します」と意気込む岡村潤を加えた南関トリオが絆の深さを体現し、別線をシャットアウトする。