地元の中心選手としてスポンサー推薦された北野武史(44)が、「選んでもらって本当にうれしかった。気持ちが入ります」と地元開催のビッグレースに胸を躍らせる。

 発表後の弥彦記念ではその興奮も武器に、しぶとい走りで準優勝。優勝こそ目の前でするりとこぼれ落ちたが、気迫あふれる走りには磨きがかかっていた。

 8月のGI松戸オールスター後は「疲れなのか、ちょっと体に力が入らなくて」とやや体調を崩した。しかし8月の終わりごろには「感触は戻ってきた」と立て直しに成功。千葉FⅠ、平塚FⅠと思うような成績は残せなかったが、地元の大一番に向けてやるべきことはやってきた。

 2001年8月ふるさとダービー(GII)以来になる地元の晴れ舞台。あの時は準決勝まで勝ち上がった。今回は是が非でも決勝進出――。執念と闘志の男が、喜びと責任を胸に走る。