名古屋競輪おすすめは赤バス

2011年03月01日 16時55分

【白鳥幹太:ギャンブル裏街道】
<名古屋競輪編>ギャンブルで負ければ待っているのはオケラ街道。人生を考えさせられる貴重な一瞬でもある。
 使ってはいけない金に手を出し、その事後処理に頭を悩ませている時。会ってはいけない人間にバッタリ遭遇してしまった時。むなしさが増す瞬間は多々あるが、スッカラカンになって都会の雑踏に投げ出された瞬間もそのひとつだ。
 オケラ人間に欠かせないのが無料送迎バス。行きつく先は大体が駅周辺だ。加齢臭漂う数々のバスに乗ってきたが、最も趣があるのは名古屋競輪から出ている それ。地下鉄本陣駅行きと名古屋駅行きがあり、所要時間は前者が5分、後者が10分程。おススメしたいのが青ではなく赤バス=名古屋行きだ。
 名駅停留所はミッドランドスクエアという高級ブランドが多数テナントに入る大型ビル。競輪場発無料バスの終着点はクリスチャン・ディオールとルイ・ヴィトンの間が定位置となっている(ごくまれにこれまた高級ブランド・ロエべの前で止まってしまうこともある)。
 セレブとオケラが交わる瞬間。ディオールの買い物袋を持ったオバサンが無料バスからぞろぞろ出てくる人間を見ながら「何の御一行様かしら?」といぶかし げに見ていたこともある。心の中では「我々は人生の負け組ですから。あまり刺激しないでください」とつぶやいたが、そんなことを口にできるはずもない。こ れまでの人生をほんの少しだけ反省したくなる時間だ。
 ただし、前日反省したことをすぐに忘れてしまうのはギャンブルファンの長所でもある。高級ブランドを身にまとったセレブと日々、バカ騒ぎしながら小バクチで一喜一憂する人間。どちらが人生の勝ち組かは簡単には言い切れない。