青山周平と師匠・仲口の立場が〝逆転〟した瞬間

2011年09月06日 16時36分

【白鳥幹太:ギャンブル裏街道】今月2日に船橋オートレース場でデビュー以来、負けなしの“13連勝”で初優勝を達成。オート界に誕生した新星・青山周平(26)の活躍は業界に新風を巻き起こしている。
 最強船橋軍団復活へ。新人の台頭を多くのファンが待ち望んでいたのは表彰式での盛り上がりに表れていた。優勝戦終了後のロッカーで青山は特にはしゃぐこ ともなく淡々と喜びを語っていたが、それはいつものこと。むしろ師匠である仲口武志(38)がどんな表情で弟子を出迎えるかが興味深かった。

 仲口といえば、オート界でも有数の寡黙な選手。喜怒哀楽を表すことはあまりない。
 報道陣に対してまともに対応しない選手を分類すると「悪童」と「口下手」に二分できるが、仲口の場合は典型的な後者。報道陣には誠実に対応するが、ほとんど言葉を発しないし、たまに何か言ったとしても小声で聞き取れないことが多い。
 優勝戦終了から1時間後、取材も一段落ついたところで、師弟コンビが帰り支度の荷造りをしていたので記念撮影を依頼した。すると師匠は軽く逃げ回って “拒否”。予想はされただけに仕方がないと思っていたら意外な行動に出た男がいた。弟子の青山だ。「親方、せっかくだから撮りましょうよ」とニヤニヤ笑い ながら、仲口のTシャツを無理やり引っ張って、報道陣の前に引きずり出し、記念撮影に応じさせたのだ(写真)。
 普段は親方には絶対服従の身であるが、こんな時ばかりは立場が逆転。弟子になだめられて、下を向きながら嫌々、撮影に応じる仲口の姿を見て、多くの人間が笑い転げていた。
 永井大介と坂井宏朱のような師弟関係も絵になるが、仲口と青山のそれにもまた美しき“師弟愛”が詰まっているように感じた。