【福井競輪・GⅢ不死鳥杯】〝永遠の太鼓持ち〟松岡辰泰 磨きがかかる幇間芸!

2022年07月07日 16時35分

おじさんビッグスリーを攻略する松岡辰泰(東スポWeb)
おじさんビッグスリーを攻略する松岡辰泰(東スポWeb)

 福井競輪GⅢ「開設72周年記念 不死鳥杯」が7日に初日を開催した。初日の一次予選7Rを制した松岡辰泰(25=熊本)には妙な特技がある――。

 同県の瓜生崇智(27=熊本)に言わせると「コイツは先輩選手との距離の詰め方がすごくエグい。永遠の太鼓持ち」とのこと。瓜生の人たらしっぷりも大したものだが、とにかく松岡は詰めに詰めるのがうまいらしい。

 九州で言うと、同県の中川誠一郎(43=熊本)はもちろん餌食になる。これは中川の醸し出すあたたかみのあるキャラクター設定上、致し方なしと言ったところで、中川本人も「まあ、後輩はみんな俺のことをナメてますから(笑い)」と半ば諦め気味。さすが、43歳ともなると寛容だ。

 怖いもの知らずはあの荒井崇博(44=佐賀)にもニヤニヤと接近する。荒井は今でこそ〝佐賀のビッグボス〟なる愛称が定着しているが、かつてはピリピリした雰囲気を醸し出し、一流選手特有の近寄りがたいオーラを放っていた。

 松岡は荒井とS級上位戦で連係を重ねるなど、レースでも呼吸を合わせているため、平気でじゃれにいく。

「『お前ら、来るな』と言われたけど、僕らは荒井さんが好きなのでどうしても一緒に練習がしたくて(嘉永)泰斗と佐賀まで出げいこに押しかけました。荒井さんの運転で行きつけのジムまで連れてってくれて一緒にトレーニングしたり。あの年齢なのに車の中で聞いている曲はAK―69。若かったですよ(笑い)」と、いい話なのに最後は落とす。

 無鉄砲な松岡は孤高の銀メダリストであり、正真正銘の九州のレジェンド・井上昌己(43=長崎)にまで迫る。「昌己さんもお世話になっています。だから、シラフでも『キング』と呼ばせてもらっています。『お前に言われるとムカつくばい』と言いながら笑って許してくださいます(笑い)」と幇間芸には磨きがかかり、九州の特別戦線を彩るおじさんビッグスリーを攻略しつつある。

 そろそろ先輩たちの逆鱗に触れ、厳しい体育会の世界の洗礼を受けるのではないかと心配されるが、すべては先輩への尊敬の念が前提にあり、絶妙な距離の保ち方とここまでは触れていいというラインぎりぎりを攻めているから、怒られることはなかなかない。

 不敵な笑顔を浮かべ、きめ細やかな部分まで気を払えるのは、レーススタイルとまるで同じだ。

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