久留米競輪GⅢ「開設73周年記念」(第28回中野カップレース)は28日、最終日を迎え、ベストナインによる決勝戦(V賞金438万円)が最終12Rで行われる。

 GⅢ初決勝の伊藤颯馬(23=沖縄)が沖縄支部初となる記念ウイナーになるか注目が集まる。

 3回目のチャレンジだった3日目(27日)準決12R、7番手から目の覚める一撃。「ペースも落ちていて得意な展開。1周ぐらいならと下りを使って思い切り行った」。切り替えていた郡司浩平(31=神奈川)―成田和也(43=福島)に追い込まれたが3着に踏みとどまって決勝ラストの切符をゲット。「このメンバーで勝ち上がれてうれしい」と白い歯がこぼれた。

 昨年は静岡GⅡヤンググランプリに出場し、今年5月のいわき平ダービーではGⅠ初勝利を挙げるなど、パワーアップは顕著。「GⅠ、GⅡを走って9車(立て)に慣れてきたのかな。競輪ができるようになった」。レースセンスの塊の坂本健太郎(41=福岡)も絶賛した競輪IQの高さは競輪〝不毛〟の地・沖縄では珍しい。

 決勝は九州勢で話し合った結果、阿部将大(26=大分)の番手を回ることになった。「ありがたい。頑張って優勝を狙いたい」と仲間の心遣いに感謝した。沖縄支部では初のGⅢ制覇へお膳立ては整った。〝ちむどんどん〟の走りでゴールを一番に駆け抜ける。