四日市競輪場で24日、FⅡ「中京スポーツ杯」の最終日が行われた。A級は佐々木吉徳(34=秋田)が3番手を取った八嶋稔真(26=北海道)マークから自力を発動してⅤ。チャレンジはベテランの藤光健一(52=東京)がデビュー34年目にして初優勝を飾った。

 11Rで行われたチャレンジ決勝は大阪の自力2人が別線。藤光は番手があるならと浜田翔平(33=大阪)を迷わず選択した。

 すると、レースでは浜田が期待に応えてくれた。後ろ攻めから赤板で抑えると、よどみのないペースで風を切り続けた。藤光にとっては願ってもない4角ハコの展開――。

「これをモノにしなかったら、もう取れないと思いました」

 車間を空けて後続をけん制し、4角から渾身の力で踏み込んで1着ゴール。「浜田君のことは一生忘れません」といぶし銀の顔をほころばせた。

 以前はA級で中堅選手として活躍。堅実なマークとさばきでラインに貢献し、優勝争いにも絡んでいた。「選抜スタート(過去、初日のシード制度があったころ)の時は何回かチャンスがあったけど、優勝はできなかった。もうできないと諦めかけた時もありました」とこれまでを振り返った。