岸和田競輪GⅠ「第73回高松宮記念杯競輪」が19日に最終日を開催する。12R決勝の荒井崇博(44=佐賀)は、同県の山田庸平(34=佐賀)を目標に得てVチャンスが到来した。両者は本紙評論家の佐々木昭彦氏の孫弟子にあたる同門の間柄。今シリーズも2日目の二次予選でワンツーを決めるなど、肌合いの良さはいまさら言うまでもない。

「準決はヒデ(山田英明・39=佐賀)が精いっぱいな状況なのに、2センターから踏んでくれたおかげ。だから落車があって残念だった。でも、せっかく九州からたくさん決勝に乗れたし、こうなったら庸平に優勝させてもらおう!」と身を乗り出した。

 5月いわき平「日本選手権」から連続してGⅠファイナルに乗ったことには格別な思いがある。「若いころはGⅠって獲れないものと思って走っていた。でも、この年齢になったら逆。今の方がちょっと獲れそうじゃんって気持ちになれる。こうなったら1回グランプリに出てみたいし、狙いたい。ただ、年齢的に恥ずかしい思いもある(笑い)」

 年齢を理由に恥ずかしがったのは、普段の荒井らしくなく初々しく見えた。しかし、今回の決勝は40代の選手が5人もいるため、堂々と立ち回ればいい。

「メンバーをよく見たらホント、ジジイばっかりだ(笑い)。俺が本命? いやいや、それは目立つし恥ずかしいから〝街頭淫タビュー〟のヨコにでもサラっと書いといて」と大一番を前にしても終始リラックスしていた。