坂井宏朱の遺志を受け継いだ「マサミ2HS」

2012年09月25日 10時30分

【ギャンブル裏街道】JKAが月イチで発行している冊子に「広報AUTORACE」なるものがある。報道各社に月ごとの売り上げや開催日程を報告するのが主たる目的で全8ページ、一般には出回っていない“マニアック”な広報誌だ。

 この冊子のある「項目」をネタに取材を進めると「よくそんなことまで知ってますね…」と選手と話が膨らむこともあり、重宝している。その興味深い項目とは各選手が所有する競走車の「登録削除情報」と「新規登録情報」と「登録証変更情報」だ。

 この情報を基に昨年末、青木治親にこう聞いたことがある。「キツネFOXはなんで“廃車”にしちゃったの?」。その理由を聞くや途端に彼は冗舌になった。それから半年後の今年6月。キツネFOXが復活していたことをこの冊子で知るも、まだその“諸事情”を取材していないことを思い出した。

 8月号の「登録情報」はとても興味深いものだった。所有者の変更=車の譲渡が多く、そのほとんどが31期新人のもの。来年1月には2級車から1級車に乗り替わるだけに新車が必要なのだ。

 新たに車を調達すると「およそ100万円」かかるという。デビュー1年の新人には大きな出費でもあり、同門の先輩から譲り受けることが圧倒的に多い。浜松で2つのSGを制した有吉辰也の名車「タツダンス」は愛弟子・中尾貴志の元へ。1文字換えて新たに「タカダンス」に生まれ変わっていた。

 船橋の平塚雅樹も鈴木将光から車を譲り受け、「マサミ2HS」と名付けていた。

「僕ら新人にすぐ買えるものではないですからね…。ホントにマサミツさんの厚意に感謝してます。その意味も込めてこの車名にしました。エンジンはマサミツさん。フレームは同期の坂井宏朱(1月15日の事故で殉職)が使っていたものを永井(大介)さんの厚意で譲り受けました。彼女の遺志を受け継いでこの名前に。1級に乗り替わってからが勝負ですね」。31期勢の多くは地元の夕練ではすでに1級車に乗り、“来年”を見据えた走りも念頭に置いた戦いを繰り広げている。

 

森且行が女子レーサー参入を歓迎する理由

44年ぶり女子オートレーサー坂井宏朱の挑戦

坂井宏朱が悲願の初勝利

永井大介「弟子になってくれて本当にありがとう」