「2022年度全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪」(FⅡ)は28、29日の2日間、長崎県の佐世保競輪場で開催される。今年のダービー王で東京五輪日本代表の脇本雄太(33=福井)は不出場も輪界最高位のS級S班9選手をはじめ、全国のトップレーサーが西海の地に集結。初日(28日)は10~12Rの優秀がメイン。10Rでは準地元の山田庸平(34=佐賀)が単騎戦で確定板を目指す。

 総大将の井上昌己(42=長崎)が欠場となり、出場者ゼロになった長崎勢に代わる大役を隣県の佐賀勢が務める。特に山田庸平にかかる期待は自然と大きくなる。

 5月いわき平GⅠ日本選手権では8、6、2、2と不本意に終わったが、初の特選スタートを経験し、1年前に比べると成長を実感。スキルを上げるには脚を合わせることが最短ルート。経験を糧に練習は一層、身が入った。

 前走の武雄決勝は、太田竜馬(26=徳島)の後位に追い上げる形で準優勝。「(決勝が)終わった後は、もうちょっと、こういうふうに動いたら優勝できた、という反省点があった」と口にしていたが、調子が上がってきている手応えをつかみ、肌感覚を大事にしながら調整してきた。

 優秀は想定番組が事前に発表されていて、山田の位置取りに注目が集まったが「単騎で頑張ります」が答えだ。1番車にはGPチャンプの古性優作(31=大阪)の名前があり、他地区の動向を想像すれば連係は可能に見えたが「先のことを考えて単騎がいいんじゃないかな。魅せるレースを、3着までに入れるレースをしたい」。

 九州を代表するトリックスターがファンの声援をエネルギーにして変幻自在に暴れることを誓っていた。