こんにちは、2022東スポミッドナイト競輪アンバサダーの太田理恵です!

 4月末からS級ミッドが始まりました! 初日特選の1着は、山口拳矢選手(26=岐阜)。決勝では惜しくも2着でしたが、宇都宮の500バンクだったので、まくりが伸びる直線の長いいわき平での日本選手権(ダービー)をイメージしながら見ました。

 そして先日のGⅠ日本選手権競輪。私は連日、先行選手の打鐘からの半周ずつのタイムを手動で計測しました。もちろん競輪はタイムだけではない。でも、タイムは調子を見る材料にはなる。先行選手の調子も分かるし、先行選手のタイムを基準に、まくりが決まったかどうかでまくりの選手の調子も計れます。以前に脇本雄太選手(33=福井)が配信で選手の先行タイムを計っていたので、それを真似した試みです。

 脇本選手と真杉匠選手(23=栃木)のタイムは興味深い結果でした。真杉選手は二次予選で、鐘からバックまでの1周で半周がそれぞれ10秒台。決勝は鐘からホームの半周のみが10秒台かつ二次予選とほぼ同じタイム、ホーム以降は二次予選より遅いタイム。風の影響もあるかもしれないが、タイムだけを見ると決勝より二次予選の方が良かったのです。

 逆に脇本選手はまくりとはいえ、決勝の鐘からの1周は半周が10・5秒前後。つまりバンクレコードと同じ速度で1周走っていることに。そして上りタイムの11・1は、他の選手なら脚をためてまくった時のタイムなのだから、脇本選手の強さがよく分かります。

 そして脇本選手の場合は、決勝が最も良いタイムだったという点も注目したいところ。勝ち上がりは先行なので比較はできないですが、脇本選手のピーキングのコントロールや経験値、緊張感の差などがこのタイムを決勝にもたらした要因の1つかもしれません。また、脇本選手は勝ち上がりで差されたが、味方を決勝に連れて行けたため、近畿が3車になった。そのあたりも脇本選手の戦略が上手く機能していたのではないでしょうか。

 今回は敗退した真杉選手ですが、連日良い先行をしていたことはタイムからも明らか。今月行われる地元の宇都宮GⅢにも注目です。

 強い先行は鐘から駆けても、最後まであまりタレない。脇本選手や深谷知広選手(32=静岡)は鐘で流さずに主導権を取りに行っても、最後までタイムの失速が少ないのが特徴です。そして今回、一般戦ではあるものの、それに近いタイムを出したのが2走目の石原颯選手(22=香川)。2走目、最終日と押し切りを決めており、今後が楽しみな選手です。

※全てのデータはツイッターで公開中

 ☆おおた・りえ 1992年6月22日東京都生まれ、東京大学大学院卒、ミス・ワールド2014日本大会審査員特別賞、同大会2015実行委員長賞受賞、同大会2020日本伝統文化賞