川崎競輪のGⅢ「開設73周年記念」(桜花賞・海老澤清杯)の最終日が17日に行われた。伝統の一戦の結末は郡司浩平(31=神奈川)と松浦悠士(31=広島)が同着優勝。記念では一昨年3月玉野以来となるという伝説的決着で幕を閉じた。郡司は1月和歌山以来14回目、松浦は2月奈良以来15回目のGⅢ制覇となった。

 競輪界の歴史を彩る2人のライバルが、全身をゴール線に投げ打った。郡司は1990年9月、松浦は同年11月の生まれ。松浦は「ライバル心を持っているんで、こういうのもうれしいですね。それにオレは絶対2着だと思ったんです。負けているところからの優勝なんでメッチャうれしい!」。ゴール後は「郡司君におめでとうって言ってましたもん(笑い)」と明かした。

 郡司は対照的に、喜びつつも「後方になってしまって松谷(秀幸)さんに申し訳なかった。結果を残せたのは良かったけど、そういうところが…」と反省も交えての振り返りとなった。松浦が「3番手から外並走でも…」とある程度、狙いの中での走りだったの対し、郡司は後手後手…。最後は「地元の気持ちだけでしたね」と辛うじてつかみとった桜花賞4回目の優勝だった。

 表彰式では歴史的なレースに感動したファンが何度も2人に声援と感謝の思いを送った。熱烈なファンの力が生み出した奇跡の一戦が、美しい輪史の1ページとなった。