玉野競輪GⅢ「開設71周年記念」(瀬戸の王子杯争奪戦)は29日、12Rで決勝が行われ、中四国作戦を粉砕した脇本雄太(33=福井)が優勝。2021年9月向日町以来、通算9回目のGⅢ制覇を300勝のメモリアル付きで達成した。

 3度目の正直――が決勝のテーマだった。今年は2月奈良記念と今月の宇都宮GⅡウィナーズカップの両決勝で松浦悠士(31=広島)を中心とした中四国作戦に屈していたからだ。

 2段駆けシフトを後方で眺めたままだった2走とは今回は違った。「前が正直まくりに構えるほどのスピードだった。でもこのままじゃ二の舞、三の舞で後悔するから行きました。出切れるとは分からない紙一重。自分の中でぎりぎりの勝利でした」とリスクを承知でペダルを踏んでVゴール。

「気持ち的には昨年のオールスター決勝のようなイメージ。その再戦みたいな形で勝てたので良かったです」
 
 松浦に土を付け、両者で争っていた通算300勝対決も制した。「変な意識はあったけどレースじゃ感じなかったですね。それよりも次の一戦ですよ」と目指すは5月のいわき平GⅠ日本選手権。

「ダービーにつながるレースができた。この感触を忘れずに次に備えたい」

 4月に2本の配分を挟み万全の状態で今年初のGⅠに挑む。それにしても今シリーズは4日間、構えることなく攻めに攻めた。段々と競輪選手の本分を取り戻そうとしている。