取手競輪場で20日、GⅠ「第37回全日本選抜」が開幕。初日特選10Rで1着を取った松浦悠士(31=広島)には深い洞察と走りがあった。

 頭脳戦と勝負根性で勝利をもぎ取った。初日特選10Rは山崎賢人(29=長崎)の番手を北津留翼(36=福岡)から強奪すると、しぶとく追い込んで1着ゲット。

「展開では考えていたし、山崎君が流す感じになったので」

 山崎のペースが上がったままなら、3番手へ。しかし、あのペースで下げると不利が生まれる。

 パッと見はただの番手飛び付きのようだが、松浦の動きを見ていた郡司浩平(31=神奈川)が「あそこで松浦が下げると後ろが詰まるので、オレとか新田(祐大)さんが仕掛けやすくなる。外に北津留さんが浮くのも考えていたんでしょう」と解説するようにレース全体への影響も見込んでのもの。「郡司君もそこまで読めてますか…、さすがだな…」(松浦)というハイレベルな戦いだった。

 2日目(21日)の12Rスタールビー賞は山崎の番手回りとなる。「3回付いて全部1着です」と笑いが止まらない位置。しかも初日の強さを真後ろで感じたなら、信頼の一手だ。作戦面ではやや不安のある山崎にしっかりと策を授け、ワンツーを目指す。