静岡競輪GⅢ「開設69周年記念 たちあおい賞争奪戦」が3日に開幕する。位置取りが注目された佐藤慎太郎(45=福島)は浅井康太(37=三重)の番手に照準を絞った。

「浅井にいきます」

 競輪伝道師は、迷った末にこう結論を出した。

「去年のオールスター(準決)では深谷(知広・32=静岡)に頑張ってもらったし、そのあとは郡司(浩平・31=神奈川)に何度も世話になった。年末からの流れを考えれば南関3番手を〝固める〟のが美しい。でも勝つ位置を求めるなら、浅井の後ろが一番1着に近いのかな。心苦しいけどね。でも平原にも何度も世話になっているし、浅井とだって連係もあるから。今回は(浅井の後ろ)そこで」

 今までの流れをくんで位置を決めることの大切さは、当然誰よりも理解している。ただそれ以上に「目の前のレースで1着を目指すことが大前提」にある。「1着を求めるなら浅井の後ろ」という選択は、ファンを、そして競輪を愛する佐藤からすれば、至極自然なことといえよう。

 記念参戦は早くも今年4節目。「さすがにクタクタ。精神的に疲れるし(練習不足で)そろそろ脚も落ちてくる時期」と本音も漏らしたが、「でも大丈夫。気持ちでなんとかするよ!」と気丈に振る舞った。