21日に都内で行われた「KEIRINグランプリ2021」シリーズの共同会見後のリモート取材で、松浦悠士(31=広島)と清水裕友(26=山口)が気になる並びについて、経緯を明らかにした。昨年大会とは違う清水―松浦の並びで30日の大一番に挑む。

 2人で初めて一緒のGP出場となった2019年の立川大会では清水―松浦。昨年の平塚大会が松浦―清水、で交互になっている。今年は松浦から「番手がいい、って伝えた」という。清水は「じゃあ、前で」の返答。悩むことはなかったのか…。

 今年の並びは「実は広島記念の前には決まってました」と清水が明かす。清水は11月小倉のGⅠ「競輪祭」を落車もあり途中欠場している。不安はなかったか、と問われると「あのおかげで、小倉の後に気になるところは全部みてもらったんです。いろんなところ、すべての場所に行きました」。

 言葉通りケガの功名で状態を立て直すどころか、あらゆるチェックのおかげで心身の不安がなくなった。心配性の清水にとってこんな追い風はない。バッチリ仕上げる自信が、その分厚い胸にあった。

 並びを確認した後の広島記念…。松浦は完勝といえる4連勝のパーフェクトVを飾った。「勝たないと、っていうよりも地元のファンのみんなに自分の走りを見てほしい、と強く思ってました。気負いはなかったですね」。あまりの状態の良さに、終わってからやっぱり前がいいと清水に言わなかったか、と問われると「言わない、言わない(笑い)。ハハハ」。

 貫禄を増す松浦の姿がある。準決、決勝で連係した町田太我(21=広島)については「準決の後はすごく喜んでいたけど、決勝の後はすごく悔しがっていた。勝った、と思ったのもあるんでしょうけど、それ以上に地元ライン4人で、狙っていた走りができなかったことを悔しがっていた。あの悔しさで、また強くなりますよ」と温かい眼差しを向けた。

 ヒロトとユージのタッグで挑む3回目のGP。深みを増す2人が、最高の連係を披露する。