伊東競輪のGⅢ「開設71周年記念」(椿賞争奪戦)が16日、開幕する。初日のメイン12Rの特選には、直前に行われた全日本トラックの1キロメートルタイムトライアルで、1分切りまであと少しに迫った新田祐大(35=福島)が元気いっぱいで登場する。

 全日本トラック(伊豆ベロドローム)の最終日。13日の1キロメートルタイムトライアルを1分0秒107の大会記録で優勝した。あと少しで1分切り…(日本記録は高地での1分0秒017=中川誠一郎)。

「練習の一環として出ていたので、このタイムが出せたのはうれしかった」

 何より、その空気感がたまらなかったと興奮気味に振り返る。

「自分の前に小原(佑太)が0秒台を出したでしょう(1分0秒815)。チームスプリントの時の自分のタイムからもファンのみなさんは期待してくれたと思う。ラップごとに1分を切れそうで…。そういった期待感を持ってもらえたことも良かったと思う」

 日本代表の最前線からは退いているが、実力が落ちているわけではない。ただし、見据えるのは後進の成長。穏やかな表情で「この1、2年で日本人の誰かが1分を切ると思います」と語った。

 自転車競技の1キロ1分切りは、陸上の100㍍走で10秒を切るのと同じイメージ。確実に世界に近づいている実感がある。

 疲れていそうなものだが、前検日の表情はビンビン。ファンとともにした時間が、疲れなど残さなかったようだ。初日の12R特選は新田らしい一撃を披露する。