広島競輪GⅢ「開設69周年記念」(ひろしまピースカップ)はシリーズ3日目の11日、準決勝が開催され、10Rでは地元の三登誉哲(34=広島)が2着となり、うれしい記念初優出を果たした。

 シンデレラストーリーだ。今大会は予備選手。8日の前検日に欠場者が出たため、正選手に繰り上がった。そこから、あれよあれよのヒット連発で予選をクリア。準決10Rでは「欲を出さずに」打鐘過ぎから腹をくくっての先行策。一列棒状になってからもリズムは快調で、別線もなかなか仕掛けられない。三登をマークした友定祐己(42=岡山)―黒田淳(36=岡山)の好ブロックもあり、最後まで踏ん張った。1着の阿部拓真(31=宮城)とともに3連単44万円超の大波乱を演出した。


 初優出の実感はまだ湧かないようだったが「出来過ぎですね。かなりに自信になります」。

 今期前半は苦戦して一時期はS級点の勝負駆けだったが、それは昔話になった。好調の要因は日野博幸(37=愛媛)から譲り受けた自転車で、降ろした11月佐世保でいきなり優出とハマった。今はフレームを触らず、シューズのサンの向きを対戦メンバーに応じて変えながら競走に臨んでいる。

 最終日(12日)の決勝で3着以内に入れば、来年11月の小倉GⅠ「競輪祭」の出場権を獲得することができる。これまで「GⅡにも出たことがない」とのことだが、大魚を釣って、ミラクルを起こすかも。