松山競輪GⅢ「開設72周年記念」(金亀杯争覇戦)は5日、最終12Rで決勝戦が行われ、松本貴治(27=愛媛)マークから怒涛の抜け出しを図った橋本強(36=愛媛)が新田祐大(35=福島)の強襲をしのいで優勝。うれしいGⅢ初制覇を地元で達成した。2着は新田、3着は松本だった。

 新田の直線猛襲もあり「これ以上ないってぐらいハンドルを投げた」とレース後は半信半疑。オーロラビジョンでようやく勝利を確信した。検車場に引き揚げると「やっと、取れたよ」と真っ先に仲間たちに報告した。

「地元大会は特別なもの。前回の(松本)貴治の時と(渡部)哲男さんが優勝した時はいずれも2着。〝次は自分が〟との思いはずっとあったから…」

 今年前半は頸椎の骨折で苦しみ精彩を欠いた。それでも、最後の最後に地元でドでかい仕事をやってのけた。「なかなか調子が上がらなくて…。家族には心配をかけたので最高の報告ができます」。デビュー18年目のGⅢ制覇に普段クールな男の目には、うっすらと光るものがあった。

 ビッグ戦線の四国勢はいま若手の躍動が目覚ましく、中堅選手たちは食らいついていくのに必死。橋本も「結果を出さないと存在感が薄くなる」と危機感を募らせる。この先も結果を出し続けて上位に君臨していく。