【オートレーサーマシン図鑑120】鈴木章夫(68)浜松・2期

 大ベテラン・鈴木の愛機は「リチウムイオン」。リチウムイオン電池は携帯電話やパソコンに使われる。この珍しい車名は「新聞でよく載っていたので、そこから付けた」との答えが。「ちょうど今の車に車名を付ける時だった。フィーリングで? まあ、そんな感じかな。(車名を付けることで)難しく考えたことはないよ」と笑う。

 オフのリフレッシュは「何もないなあ」とポツリ。「昔はいろいろやっていたよ。ドライブとか、ゴルフとか、小さいころからやっていた釣りとか。でも飽きてきちゃって」と言う。「今は家でゆっくりしているか…。でも1時間くらい歩くことはあるね。いい運動にもなるし」とのこと。

 期でいえば、2期は古参だ。東京オリンピックの年にデビューした。「そのころはダートだった。飯塚で2か月、地元で1か月訓練を受けてデビューした」そうだ。「1、2、3級車があり、3級車は350㏄。パワーがなくて、逆ハン切ると転んじゃう。事故も多くて危なくて『この世界では長生きは難しいな』と思ったもんだよ」と当時を振り返る。気付けば半世紀がたち、今も現役だ。「今は事故なく走れればいい」。「ドドド(跳ね)がなければレースは楽しいんだけどねえ」と、ドドドに苦しむことが多い。それが解消すれば、まだまだ勝負できる力は持っている。52年目のシーズンも注目してみたい。

☆すずき・あきお=1946年8月23日生まれ。静岡県出身。64年9月15日選手登録の2期。GIV2、GⅡ3回を含め優勝回数は61回。同期は同じ浜松の田中悦郎。血液型=AB。