福岡県・久留米競輪場で熱戦を繰り広げてきた開設71周年記念熊本競輪「火の国杯争奪戦」GⅢin久留米は最終日の10日、12Rで決勝戦(V賞金381万円)が行われ、嘉永泰斗(23=熊本)がBS番手まくりで勝利。記念初優出→初優勝の快挙を達成した。なお、松浦悠士(30=広島)と佐藤慎太郎(44=福島)はゴール前で落車(ともに滑入)した。

 九州作戦が見事に決まった。正攻法の北津留翼(36=福岡)が赤板前で上昇した松浦を出させず突っ張って先行態勢。ツバサが全開なら、さすがのS班勢も厳しい。4番手から迫ってきた松浦に合わせて、嘉永はバックから番手発進。ゴール手前では松浦と佐藤が落車するアクシデントもあり、嘉永がVゴールを駆け抜けた。


「最初は実感が沸かなかったが、だんだん沸いてきて取ったんだな」と喜びをかみしめた。そして「北津留さん、瓜生(崇智、26=熊本)さんのおかげ。次からは自分がしっかり前で先輩たちを引っ張っていけるように…」。23才の若武者は仲間への感謝の思いを口にし、前で引っ張ることが「恩返し」と言い切った。


 2016年の熊本地震から休催中の熊本競輪場も3年後の再開へ前進。「(再開後には)GⅠとか来ると思うのでGⅠでも戦える力を付けたい」。熊本の希望の星となることを高らかに誓った。