今回の「深谷知広の競rin世界挑戦」は、気になる小田原記念の落車後の状況と、何より東京五輪を見て何を感じたのか――。パリ五輪を目指す身として、またナショナルチームの中核としての思いが綴られている。

 みなさんこんにちは、現在療養中の深谷知広です。先日の小田原記念で落車をしてしまい、骨折と擦過傷を全力で治しています!

 落車後は痛みも結構強かったのですが、何とか大丈夫な感じでひと安心していました。ですが、30分ほど経過した時から血中の酸素濃度がどんどん下がっていき、89%まで落ちてしまったのでその時は少し焦りました…。その後検査と治療をしてもらい今にいたります。

 そして先日終わった東京五輪です。

 私は幸運なことに色んな人の協力を得て全日程のチケットを購入することができ、日本の仲間、今まで戦ってきたライバルたちの走りを目の前で見届けることができました。

 しかし次の世代の選手たちにはチケットが行き渡らず、観ることができなかった選手が多くいたことがとても残念に思います。何か対策をして欲しかったですね…。これもかなり重要な強化の一環だとは思うのですが…。

 今回、新田(祐大)さん、ワッキー(脇本雄太)が全力で戦っている姿を見てとても大きな満足感と喪失感を味わいました。

 これは文章で表現するのが難しい感情です…。

 私は2人の強さを一番近くで見てきて一番知っています。その2人が全力で戦ってくれた。しかしメダルには届かなかった。一年の延期期間で自分たちが成長したと思っていたところを大きく上回って成長している国が多かった。でも自分たちも確実に成長している…。

 やっぱり表現し難い感情ですね! とにかく全力で戦ってくれた2人に感謝です!

 これからパリ五輪を目指す選手は本気で200メートル、8秒台を目指して挑まなければメダルの可能性はないと思います。今まで以上の加速度での成長が求められる中で、これから私にできることを全力でやりたいと思います。
 まずはケガを治さないと! おしまい。

☆ふかや・ともひろ=1990年1月3日生まれ、愛知県出身。169・8センチ、79キロ。桜丘高卒業。競輪のトップ選手で自転車競技の日本代表