向日町競輪のGⅢ「開設71周年記念 平安賞」が2日、開幕する。伝統のシリーズを支え続ける総大将・村上義弘(47=京都)は競輪界、自転車界全体を見渡す。

 脇本雄太(32=福井)の東京五輪の戦いを見て「準決での負け方は確かに悔しいものでした。でも最後の7―12位決定戦を見て、選手として『ありがとう』と思いましたね。最後まで戦い抜いた姿に」と振り返った。

 また脇本にしても、新田祐大(35=福島)にしても「2人の年齢で延期になった一年間は苦しかったと思う。相当なことだったはず」と思いやる。

「2人が世界で戦えることを証明したのは間違いない。今までは変なコンプレックスを持っていた。外国人選手には勝てない、ヨーロッパの選手は強過ぎる、と。でも、そうじゃなかった」

 結果は残せなかった。だからこそ「あの姿を見て、後輩や、自転車を始める子どもたちが『世界一になる!』と思って目指してほしい」。もちろん、そのために必要なのは個人の努力だけでなく「環境をしっかりすること。世界との差を縮め、上回るために」と自転車界が一つになり、国としての戦いを支える重要性、継続を訴えた。

 初日特選12Rは脇本を先頭にして稲垣裕之(44=京都)―村上義―村上博幸(42=京都)で結束。脇本は五輪終了後、多少の時間はたつが芯の疲労は否めない。「本当は休ませてあげたい。でも今回は…フフっ。」といたずらっぽく笑った。