函館競輪場でGⅡ「第17回サマーナイトフェスティバル」が16~18日の日程で開催される。昨年のグランプリ王者・和田健太郎(40=千葉)の今年は落車続きで、順調とはいかない。そんな今、GP王者の立場を改めて思った。

「GPを勝つなんて、目標という目標ではなかったんですよ。ガチの。まあ、おぼろげにはありましたよ、それは」

 空中に手を広げ、夢のようなGP優勝を遠くに見ていたという。それが突然、現実になった。泥臭い走りが信条で「ヒラ社員でいたのが、ああ課長になりたいな…くらいで頑張っていたんです」。車券に貢献することだけを考え、一戦、また一戦にすべてを注ぎ込んできた。

「そしたら、いきなりヒラ社員から社長になったようなもんで。先輩後輩に話す言葉とかも気を付けるようになりました」

 戦い方は何も変わらないが、やはり立場で周囲の目は変わる。難しい側面もあるGP王者だが、もともとがたたき上げの雑草。自分のできることだけに集中し、後半戦での巻き返しにつなげる。