函館競輪場でGⅡ「第17回サマーナイトフェスティバル」が16~18日の日程で開催される。競輪界の夏祭りで平原康多(39=埼玉)が左ヒジ骨折からの再始動。しかし、前検日には思わぬ言葉を口にした。あのヒラハラがなぜ…。

「別に自分もグランプリ乗らなきゃ!って、そんな気持ちじゃないんですよ」

 耳を疑うような言葉だった。高松宮記念杯で川越工時代からの付き合いになる後輩・宿口陽一(37=埼玉)がGⅠ初制覇を飾った。暮れの静岡GPの出場権もゲット。もちろん「オレも!」ではないのか。
 
 平原にしか分からない境地に至っていた。「自分がグランプリに乗らなきゃって、ずっと変なプレッシャーをしょっていて…。関東から宿口が一人乗って、なんか、肩の荷が下りたというか」。昨年、一昨年と関東からGPには平原一人という状況が続いた。平原だけが感じていた重圧があった。

 めまいのするような暗闘からの解放が、かわいい後輩の優勝だったのだ。今、晴れやかに語る。「一緒に乗れれば最高。乗りたい」。にこやかな笑顔が、晴天の北海道を満たした。GP出場は、無邪気な目標として新たに設定されたのだ。

 高松宮記念杯前に痛めた左ヒジの状態も問題なし。初日特選12R、再始動する平原の攻めが、輝く。