福井競輪のGⅢ「開設71周年記念 不死鳥杯」が8日に幕を開ける。

 山口拳矢(25=岐阜)にとって当地は思い入れの深い。昨年11月に走ったFⅠシリーズでバンクレコード(10秒6)を樹立しているからだ。「あの時の印象が頭に残っているからバックがすごく流れる感じがします。福井、好きですね」と本人も好印象を自覚している。

 余談だが、そのシリーズでは参加していた小嶋敬二(51=石川)から「バンクレコード出そうが、まだまだやな!」と厳しいゲキが飛んだ。そのころはS級に上がって約1か月と間もなく、まだS級の走りに慣れていなかったものだから仕方がない。

 しかし、今は違う。S級の荒波にもまれ、一戦ごとに経験を重ねて着実に力を付けている。

 勝ち方は大胆不敵ながらも魅せるレースが多く華を感じさせる。時折大変なポカをしでかすこともあるが、それはまたご愛嬌。「高松宮記念杯ですか? あれはあれでいい経験ができました」と、失敗は成功のもとと言わんばかりにマイペースを貫いている。

 最近は配分が詰まり日程過多だったが、前回の岸和田GⅠ「高松宮記念杯」の後は久々に時間が空いた。「ほどよく休みほどよく練習できました」とリフレッシュも十分。初日の一次予選10Rでは爆発的なダッシュを繰り出して好スタートを切る。