松阪ミッドナイト競輪(FⅡ)は30日に開幕。チャレンジは米嶋恵介(29=岡山)、岩城佑典(21=愛知)、山本浩成(22=福岡)、川藤幸大(23=熊本)の119期4人が緊張の本デビューを迎える。

 キャラクターは米嶋が際立っている。「父が競輪ファンだったから、子供のころからレースを観ていました」という親子揃っての競輪好き。選手になりたいという気持ちはあったが「自転車部も考えたけど、自分にはなれないと思って高校まで野球をしていました」。卒業後は社会人として普通に企業で働いていた。

 本気で競輪選手を志したきっかけは師匠の岩本純(39=岡山)との出会いだ。「紹介されて話をしたら『まだ遅くない。ぜんぜんなれるよ』って言われて」。師匠の心強い言葉に背中を押されて夢をかなえた。

 前回のルーキーシリーズは2回落車。とくに最終日は危険な落ち方だった。「骨が折れなくてよかったです。丈夫に生んでくれた母に感謝ですね」と笑い飛ばし、ハートは相当強そうだ。「もっと脚を上げて本デビューしたかった。体が戻り切ったかどうかってところ」と悔しそうに話すが、初めての本格的なライン戦には「どんなレースになるかファンとして観てきたので、だいたいわかります」とニヤリ。新人らしからぬ冷静なレース運びで人気に応える。