玉野市営の松山ミッドナイト競輪(FⅡ)が6日に2日目を開催する。点数にまつわる課題は競輪界、期末の風物詩。とくに代謝の危機が迫る選手にとっては一戦一戦が勝負であり生き残りをかけて、なりふり構ってはいられない。

 池内吾郎(50=愛媛)は代謝対象となる下位30人に位置しており、少しでも点数をアップさせないといけない状況の中、初日3Rを白星で突破し準決勝へ進出。2019年5月の玉野以来、およそ2年ぶりの勝利を挙げた。

 それでも本人は「周りも(点数を)上げてくるだろうし、あと1点ぐらい積み上げないと厳しいと思っています。このあとの2場所で取れなければ諦めます…」と、いたって謙虚にふるまう。

 そんな池内の姿勢に黙っていられなかったのが師匠の伊藤豊明氏(63=愛媛・引退)だ。「何言ってる。それじゃあダメだ。勝負なんだぞ。脚があるんだからまだまだ諦めずにやれるところまで頑張れよ。人生と一緒でゴールまで何があるかわからんぞ」と、情け無用の勝負の世界に覚悟を決め切れない愛弟子にゲキを飛ばした。

 普段の伊藤氏は現役時代とは違い、柔和な表情で軽快にギャグを飛ばす優しさに満ちた面白いオジさんだが、この時ばかりは師匠の顔となり、弟子の身を案じて真剣に向き合った。

 池内は準決3Rも初日と同様に伊藤貴史(36=高知)を目標に得た。「状態が悪いわけではないんです。初日を弾みにして頑張ります!」と、師匠に気合を注入されて大いに刺激を受けていた。