防府市営の小倉ミッドナイト競輪「オッズパーク杯」(FⅡ)は1日、最終日を迎え、9RでA級1、2班戦の決勝戦が行われる。連日、快速発揮の松本秀之介(21=熊本)の今期8V&2場所連続完全優勝なるかが焦点だが、前日の準決8Rで1着取りを果たした原井博斗(25=福岡)が原田隆(45=大阪)とのサプライズタッグで猛抵抗を試みる。

 3連単万車券が5本も飛び出した2日目(5月31日)。原井も穴党を大いに喜ばせた。準決8R、鐘から先行態勢の戸田康平(29=香川)―富弥昭(49=山口)―木本賢二(49=大阪)の本線ラインに対し、猛然とアタック。戸田を叩き切るまではいかなかったが、番手にはまる展開となり、最終3角過ぎまで利用してからの一気踏み。2万9000円超の好配当の立役者になった。「久しぶりに決勝に乗れたので調子は悪くない」と昨年12月別府以来、遅ればせながらの今期初優出に相好を崩した。

 今期は欠場期間もあり予選でつまずくこともあったが、最近は「成績がまとまるようになってきた」。決勝に乗りたいという念願を地元でかなえた。発奮材料もある。兄の剣也(27=福岡)が119期生として7月から本格デビューする。弟は「負けたくない」と、いい刺激になっているようで、それに伴い、練習量も増加。先輩レーサーとして一歩でも先を歩み続けるつもりだ。

 最終日(1日)決勝9R、九州からは4人が勝ち上がった。松本秀之介(21=熊本)―松本大地(43=熊本)が並び、原井は井寺亮太(29=長崎)とは連係せず、単騎の心構えだったが、近畿の原田が「準決の競走を見て付きたいと。男前だし…」と原井マークを宣言。早速、検車場であいさつを済ませ「ついてもらえるならしっかり頑張りたい」。ラインができたことで戦法の幅は広がった。ノンストップの進撃を続ける肥後の若武者をやすやすと勝たせるわけにはいかない。