いわき平競輪場でS級シリーズ(FⅠ・ナイター)「東京スポーツ杯」が開催されている。地元の高橋晋也(26=福島)が、落ち着いて最終日(31日)の決勝12Rを戦う。

 初日特選12Rは同期の朝倉智仁(21=茨城)に突っ張られ7着敗退。人気に応えられず、地に突っ伏した。2日目準決12Rも別線の猛抵抗にあったが、力でまくり切り、マークした菊地圭尚(41=北海道)とワンツーを決めた。

「ブロックに来るのは分かっていたし、まだ余裕もあった。行けると思った」

 押し切っての1着に安堵しつつも、「調子は良くない」と認識している。決勝12Rは朝倉もいて、南関勢もいる3分戦。初日は殴り合いのような先行争いに応じたが、冷静になる。

 まだ自分自身が見えていない。デビューからの進撃は素晴らしく、一気に上位戦に顔を出してきた。だが、確固たる自分の走りは確立できていない。今節は「お兄さんみたい」と慕う菊地からアドバイスをもらっている。

 菊地は「アイツは出身は北海道の釧路なんですよ。強いけど、まだこれから」と、同郷のかわいい弟のような高橋を見つめている。高橋も「圭尚さんはレースもですが、気持ちが強い。自分は気持ちの面が問題なんです。いろんなアドバイスをもらっています」と頼っている。

 競輪に必要とされるのは脚力だけでなく、頭脳も、そして立ち向かう気持ち。まだ様々なものをつかみ切れていない高橋。兄貴分のアドバイスを胸に、この決勝、そして将来につなげていく。