いわき平競輪のS級シリーズ(FⅠ・ナイター)「東京スポーツ杯」は30日、2日目を行う。初日(29日)の夜をにぎわせたのは最終12Rの朝倉智仁(21=茨城)だ。

 残り2周半から高橋晋也(26=福島)が抑えにきた。が、先頭を譲らず先頭誘導員をギリギリのタイミングでかわして突っ張り先行。激しく体でぶち当たって、逃げ態勢を確保した。

「譲れないんで。晋也さんもくみ取ってくれて、受けてくれました」

 高橋は同期で仲のいい人物。しかも、115期のルーキーチャンピオンレース(2020年3月、玉野)では、朝倉は高橋につけて差し切りで優勝している。「恩人ですけど、レースで別なら勝負です」と戦前に語っていた言葉を走りで見せた。

 レース前、連係するレジェンド・神山雄一郎(53=栃木)のところに挨拶に行き「先行は譲れません」と伝えると、「頑張れ!」と短くも熱い激励をもらったという。ハードなレースを戦い終えた神山は「朝倉は強いね。いい練習になった!」と刺激を受けた表情で振り返った。

 敗れた高橋は険しい表情。ねぎらったのは北日本3番手を回った菊地圭尚(41=北海道)だった。

「今、いっぱい失敗していいんだよ、と伝えました。一気に上に上がってきて、人気になって負けられないってなる。でもまだ覚えることはたくさんある。初日も押さえに行くのが丁寧過ぎますしね。素直な子だし、いろんな人の話を聞いてもっと強くなると思います」

 燃えるナイター開催は30日、2日目。ひと足早いいわき祭りが始まっている。