防府市営の小倉ミッドナイト競輪(FⅡ)が30日、開幕する。今シリーズの主役が追加エントリーしてきた117期の新鋭・松本秀之介(21=熊本)であることは皆目の一致。初日予選8Rは豪快戦で押し切り、断トツ人気に応える。

 肥後の若武者が並々ならぬ決意でこの3日間を走り切る。今期は勝ちまくった。29日時点での28勝はA級1、2班戦でトップ。優勝7回はこの日の大垣ミッドナイト決勝の結果次第になるが、大西貴晃(28=大分)と並んで1位タイ。非の打ちどころがない成績を引っ提げ、7月からS級へ戦いのステージを変える。

 だが、現時点では〝来期は〟の枕詞がつく。今期の競走得点は94・48。毎期91点前後とされるS級点は悠々クリアしているものの、3月大垣「ルーキーチャンピオンレース」と4月松戸で失格を喫しており、競走得点から失格点6点を引いた評価点となると、来々期(2022年1月~6月)適用のS級点獲得は不可能。〝恒久的〟にS級に留まるには9連勝の特別昇級しか道はない。前走の久留米で完全Vを果たした松本は、今回と次走の佐世保(6月14日~16日)で1着を並べ〝ミラクル〟を起こすつもりだ。

「久留米の時に追加(連絡)が入って、小倉だったのですぐ『行きます』って応えました」

 小倉は1、2班では過去3回走って優勝2回と得意バンクにしており「走りやすいイメージがあります」。さらにミッドナイト開催のため、得点最上位の松本は3日間の1番車が確約。「好きなところが取れるのでありがたい」と好意的に受け止めている。

 初日の予選8Rでラインを組む田中洋輔(41=宮崎)には今月初旬の向日町初日に逆転を許したが、その田中は「向日町は風が吹いていたから、無風のドームなら抜けないでしょう」と2着なら御の字といった様子だった。初戦からスーパールーキーの豪脚が真夜中を切り裂くことは間違いなさそうだ。