函館競輪開設71周年記念(GⅢ・五稜郭杯争奪戦)は18日、最終日を迎える。決勝の北日本勢は佐藤慎太郎(44=福島)、守沢太志(35=秋田)とS班の追い込みが2人。注目の並びは守沢の自在戦に佐藤が任せる形で落ち着いた。

 佐藤は潔く守沢に前を任せた。初日特選では高橋晋也(26=福島)に佐藤―守沢で並んでおり、佐藤が前で戦う選択肢も考えられたが「守沢が前で頑張ると言ってくれたのでね。実際にオレより守沢の方が動けているし、点数も上だから」と、守沢の充実ぶりを評価し、意向を受け入れた。

 準決はさすがのさばきで快勝した。鈴木庸之(35=新潟)の番手で〝勝って当然〟の流れではあるが、ブロックしづらい最終BSの直線でまくり上げてきた坂口晃輔(33=三重)を一発で止めた動きは絶品。やはりS班の追い込みはひと味違う。守沢だけじゃない。シンタロウも決して負けていない。

 ここ1か月で動きには本来のキレが戻ってきた。「武雄記念(4月)あたりから元通りに戻りつつあるという感じ。今回も悪くないですよ」。松浦悠士(30=広島)、郡司浩平(30=神奈川)と微差、微差の大接戦を演じた京王閣ダービーの決勝も最終BS4番手から直線だけで突っ込んだ。位置取りで後れを取ることは許されない守沢が、先行が有力な野口裕史(38=千葉)―松谷秀幸(38=神奈川)の3番手あたりをキープすれば…。今度はシンタロウのウイニングランのシーンがあるかもしれない。