函館競輪開設71周年記念(GⅢ・五稜郭杯争奪戦)が15日、開幕する。京王閣ダービーを制した松浦悠士(30=広島)を筆頭に主力にはGⅠ好走組が顔を揃えたが、その中で坂口晃輔(33=三重)も伸びが光った一人。特選では近畿後位からの強襲をひそかに狙っている。

 函館参戦は17年4月のFⅠ戦以来、4年ぶり。深谷知広(31=静岡)を差して優勝したその時のシーンを前検日は感慨深げに振り返った。「深谷の後ろなんてめったに回れないのに、あの時は準決、決勝と一緒になって。あの優勝はうれしかったですね」。別線には岩本俊介(37=千葉)に河端朋之(36=岡山)、菊地圭尚(41=北海道)…。相手もかなり揃っていた。

 京王閣ダービーは二次予選の判断ミスがすべてだった。守沢太志(35=秋田)をさばいて高橋晋也(26=福島)をハダカ逃げにさせたところまでは満点だが〝死に体〟状態の皿屋豊(39=三重)を迎え入れたことで鈴木裕(36=千葉)のまくりへの対応が遅れ、結果的にこれが命取りになった。「周りにも散々言われました(苦笑)。2着権利なんだし、優しく走ったらイカンと…」。反省は今後に生かすと心に刻んだ。

 だが、状態のよさも改めて確認できた。自粛欠場期間の4月にじっくり脚をつくり直した効果はてきめん。4走すべて伸びは際立っていた。「戦える脚はあったと思う。あとはそれを生かせれば、ですね」。特選はタテヨコ動き回る古性優作(30=大阪)―稲川翔(36=大阪)の3番手だが、ダービーの準決ではその位置から松岡健介(42=兵庫)が決勝に乗ったばかり。もちろん坂口にも出番はある。