東京都調布市にある京王閣競輪場で「第75回日本選手権競輪」(GⅠ)が4日、開幕する。3日の前検日は162人の選手が結集し、それぞれの準備を行った。2017年5月の当地ダービーを制した三谷竜生(33=奈良)の心に火がついていた…。

「刺激を受けました…」

 兄・将太(35=奈良)が2日に最終日を行った奈良GⅢ「秋篠賞」を制した。「調子も良くなさそうやし、厳しいと思っていた」。ケガに苦しみ、復帰後も決して納得のいく走りはできていない。それが分かるだけに、決勝の走りに強い感動を覚えた。

「まくりに行って、内をキメて。見ていてこっちも気持ちを感じました。競輪の大事な、気持ち、というのを」

 信じがたい低迷にある竜生だが、GⅠ初制覇を成し遂げた京王閣は「思い入れのある場所」。そこに将太の気迫のレースを見て「頑張らんと、ボクも」とスイッチが入った。2日目(5日)の一次予選6Rに出走のため、初日(4日)は休み。高ぶる気持ちをコントロールして、勝負の時に備える。